一戸建てのフルリフォームを500万円で検討する際、この予算が具体的にどのような項目に割り振られるのかを把握することは、計画を進める上で非常に重要です。この金額での「フルリフォーム」は、大規模な構造変更を伴わない、主に内装と設備の刷新が中心となります。一般的な予算の内訳としては、まず内装工事が大きな割合を占めます。具体的には、壁紙やクロスの張り替え、フローリングやクッションフロアといった床材の交換、和室を洋室に変更する場合の畳からフローリングへの変更などが含まれます。これらの費用で全体の30~40%程度を占めることが一般的です。次に、水回り設備の更新です。キッチン、浴室、トイレ、洗面台といった設備の交換は、生活の快適性に直結するため、優先度が高くなる傾向にあります。これらの設備費と設置工事費で、予算の30~40%程度を見込むことが多いでしょう。選ぶ設備のグレードによって費用は大きく変動するため、標準的なグレードを選ぶことが500万円の予算内で収めるポイントです。その他、建具の交換、照明器具の交換、給湯器の交換、そしてこれらの工事に伴う電気工事や配管工事などが含まれます。また、忘れてはならないのが、工事費以外に発生する諸経費です。これには、設計費(小規模な場合は不要なことも)、現場管理費、廃材処分費などが含まれ、予算の10~15%程度を占めることがあります。外部工事に関しては、この予算では部分的な補修や塗装に限定されることがほとんどです。このように、500万円の予算では、どこに重点を置くかによって内訳が大きく変わるため、優先順位を明確にし、具体的な見積もりを複数の業者から取ることが成功の鍵となります。