築15年になる我が家のリビング。いつの頃からか、壁紙の黄ばみと、部屋の隅にできた子供の落書きが、私の心の片隅に重くのしかかっていました。「古い家だから仕方ない」と見て見ぬふりをしていましたが、家にいる時間が増えるにつれて、そのくすんだ壁が、まるで部屋全体の空気を淀ませているように感じられるようになったのです。そして、ついに私は決意しました。「壁紙を、張り替えよう」と。DIYも考えましたが、リビングという家の中心的な空間であること、そして完璧な仕上がりを求めたかったため、今回はプロの業者さんにお願いすることにしました。数社から見積もりを取り、一番親身に相談に乗ってくれた業者さんに依頼。選んだ壁紙は、これまでよりワントーン明るい、柔らかなアイボリーの無地タイプ。そして、テレビを置く壁一面だけを、少し落ち着いたグレージュのアクセントクロスにすることにしました。工事当日は、朝から職人さんたちが手際よく家具を移動させ、あっという間に養生が完了。古い壁紙が剥がされていく様子は、まるで家が古い殻を脱ぎ捨てていくようで、爽快でさえありました。そして、新しいクロスが張られていくにつれて、部屋の空気が、文字通り「変わっていく」のを感じました。全ての工事が終わり、家具を元に戻したリビングに足を踏み入れた瞬間、思わず「わぁ…」と声が漏れました。そこには、以前の薄暗く、生活感に満ちた部屋の面影はどこにもなく、明るく、清潔で、洗練された、まるでモデルルームのような空間が広がっていたのです。明るい壁紙は光を優しく反射し、部屋全体が二回りほど広く感じられます。アクセントクロスのおかげで、空間に奥行きが生まれ、ありふれたテレビボードさえもお洒落なインテリアに見えます。何より変わったのは、家族の気持ちでした。新しい空間で過ごす時間は、自然と会話を増やし、笑顔を増やしてくれました。壁クロスの張り替えは、単に壁をきれいにするだけの行為ではありませんでした。それは、部屋の空気を、そしてそこに住む私たちの心までもリフレッシュしてくれる、魔法のようなリフォームだったのです。
壁クロス張り替えで、我が家の空気が変わった日