リフォームを成功させるための最も重要な要素は何かと問われれば、それは間違いなく「信頼できる業者との出会い」です。どんなに素晴らしいリフォームプランを描き、潤沢な予算を用意したとしても、それを形にしてくれるパートナーである業者選びに失敗してしまえば、そのリフォームは悪夢に変わりかねません。だからこそ、もし、あなたが「心から信頼できる良い業者が見つからない」と感じているのであれば、それは「今はリフォームをしないほうがいい」という、極めて重要なサインなのです。世の中には、残念ながら、消費者の知識不足に付け込む悪質なリフォーム業者が存在します。「今契約してくれれば、モニター価格で大幅に値引きしますよ」と契約を急がせたり、「近所で工事をしているので、ついでにやれば足場代が無料になります」といった甘い言葉で判断を鈍らせたり。あるいは、提示された見積書が「工事一式」といった大雑把なもので、その詳細な内訳を尋ねても、誠実に答えようとしない。こうした業者は、まず疑ってかかるべきです。また、技術力や経験が不足している業者に依頼してしまった場合、仕上がりが雑だったり、見えない部分で手抜き工事が行われたりして、後々、水漏れや断熱欠損といった大きなトラブルに発展する可能性もあります。リフォームは、工事が完了したら終わり、ではありません。むしろ、そこからが長い付き合いの始まりです。数年後、数十年後に、何か不具合が生じた際に、親身になって相談にのってくれるか、迅速に対応してくれるか。そうした長期的な視点での安心感こそが、良い業者の証です。複数の業者から話を聞いても、どこか誠実さが感じられない、こちらの不安に寄り添ってくれない、提案内容に納得がいかない。そんな状況で、焦ってどこかに決めなければならない、ということは決してありません。良い業者と出会えるまで、じっくりと時間をかけて探す。それは、決して無駄な時間ではありません。信頼できるパートナーが見つかるその時まで、計画を温めておく。その冷静な判断こそが、あなたの大切な住まいと財産を守るための、最善の策なのです。
良い業者が見つからないならリフォームはしないほうがいい