壁紙(クロス)にひび割れを見つけると、気になるだけでなく、何かの異常ではないかと不安に感じるかもしれません。クロスのひび割れには様々な原因がありますが、特に多いのが「建物の構造的な動き」と「下地の問題」です。新築の建物であっても、時間が経つにつれてわずかながら建物の「構造的な動き」が生じます。これは「乾燥収縮」や「地盤沈下」、あるいは「地震」や「強風」による揺れなどが原因です。特に木造住宅の場合、木材が乾燥して収縮したり、湿気を吸って膨張したりを繰り返すことで、壁全体に微細な力が加わります。この力によって、壁の下地材である石膏ボードのジョイント部分や、異なる素材が接する部分、あるいは窓枠やドア枠の周囲などにひび割れが生じやすくなります。こうしたひび割れは、特に目地の部分に直線的に現れることが多いです。また、「下地の問題」もクロスのひび割れの大きな原因となります。クロスを張る前の下地処理が不十分だったり、下地材(石膏ボードなど)に元々歪みや段差があったりすると、その上に張られたクロスにも影響が及びます。例えば、石膏ボードの継ぎ目の処理(パテ処理)が甘いと、ボードの動きに合わせてクロスが引っ張られ、その部分にひび割れが発生しやすくなります。ビスの打ち方が不十分でボードが浮いている場合も、その部分からクロスに負担がかかり、ひび割れにつながることがあります。これらの原因によるひび割れは、完全に防ぐことは難しいものですが、建物の動きが落ち着くまでの初期段階で発生することが多いです。軽度であれば補修が可能ですが、継続的にひび割れが拡大する場合は、専門家による調査を検討する必要があるでしょう。