一般的に広く普及しているポリプロピレン製の網戸と比較して、ステンレス網戸は非常に高い耐久性と強度を誇りますが、導入にあたっては慎重に検討すべきデメリットがいくつか存在します。まず最も大きな障壁となるのが、初期費用の高さです。材料自体の価格がポリプロピレン製と比較して数倍から十倍近くになることも珍しくありません。これはステンレスという金属そのものの価値に加え、細いワイヤー状に加工し、さらに均一な網目へと織り上げる工程に高度な技術が必要とされるためです。さらに、材料費だけでなく施工費も高くなる傾向があります。ステンレスは非常に硬い素材であるため、通常のカッターやハサミでは裁断が困難であり、専用の工具が必要となります。また、一度折り目がつくと修正が効かないという特性があるため、枠に張り込む作業には熟練の技術が求められます。そのため、多くの業者がステンレス網戸の張替えには特別料金を設定しており、トータルでのコストは一般的な網戸とは比較にならないほど高額になります。次に考慮すべきは、素材としての柔軟性の欠如です。ポリプロピレン製の網であれば、多少の衝撃を受けても網がたわむことで吸収し、元の形状に戻ろうとする性質がありますが、ステンレス網戸は強い力が加わると網そのものが凹んでしまい、その跡が消えることはありません。一度ついた凹みや歪みは、金属の塑性変形によって固定されてしまうため、見た目の美しさを損なう原因となります。また、ステンレスは金属であるため、日光を強く反射する性質があります。未加工のステンレス網戸を設置すると、角度によっては太陽光が乱反射して眩しく感じたり、室内からの視界にキラキラとした光が干渉して外が見えにくくなったりすることがあります。この反射を抑えるために黒色のコーティングを施した製品も存在しますが、その場合はさらにコストが上乗せされることになります。さらに、網戸自体の重量も無視できません。金属製であるため、樹脂製と比較してかなりの重さがあります。古いサッシや強度の低い枠にステンレス網を張ると、その重みで枠が歪んだり、戸車の消耗を早めたりする恐れがあります。このように、ステンレス網戸は「一生モノ」と言われるほどの耐久性を持つ一方で、導入時の経済的負担や、金属特有の物理的性質による取り扱いの難しさがあることを正しく理解しておく必要があります。メリットである強固さが、状況によっては柔軟性のなさという欠点に転じることもあるため、設置場所の環境や予算、そして将来的なメンテナンスの頻度を十分に考慮した上で選択することが重要です。