リフォームの予算を立てる際、多くの人が材料代と工賃だけで計算してしまいがちですが、実際には完了後に予算をオーバーしてしまうケースが後を絶ちません。その原因の多くは、見積書の隅に小さく書かれていたり、現場で初めて発覚したりする追加料金にあります。まず見落としがちなのが、既存の床の下にある敷居や見切り材の調整費用です。畳からフローリングに変更する場合や、厚みの異なる床材に張り替える場合、隣の部屋との段差を解消するために、ドアの下の部分を削ったり、新しい見切り材を設置したりする必要があります。これらは一箇所数千円から一万円程度の小さな出費ですが、家中を直すとなると数万円の差になります。次に、水回りの工事におけるパテ処理や防腐処理です。キッチンの床などを剥がした際、軽微なシミやカビが見つかった場合、本格的な補修まではいかなくても、清掃や防腐剤の塗布が必要になり、その実費が加算されることがあります。また、駐車場代の負担についても確認が必要です。都市部などで業者の車を停めるスペースがない場合、近隣のコインパーキング代が諸経費として計上されることがありますが、これが数日間の工事になると意外な金額になります。さらに、意外な盲点となるのがエアコンの取り外しや再設置です。床の張替え範囲に床置き型のエアコンがあったり、工事のために一時的に室外機を動かす必要があったりする場合、専門の電気工事士の手配が必要になり、数万円の追加費用が発生することがあります。家具移動についても、単に場所を移すだけでなく、大きな本棚を一度解体して再組み立てするような場合は、特殊作業費として高額になることがあります。こうした不測の事態を防ぐためには、見積もり段階で可能な限り現状を細かく業者に伝え、現場調査を丁寧に行ってもらうことが不可欠です。また、万が一に備えて総予算の十パーセント程度を予備費として確保しておく心の余裕が、リフォームをストレスなく進めるための秘訣です。見積書を受け取った際には、これら以外にかかる費用は本当にないかを口頭でしっかりと確認し、双方が納得した上で契約に進むことが大切です。