自宅のメンテナンスを自分で行うDIY愛好家にとって、網戸の張替えは比較的挑戦しやすい作業の一つとされています。しかし、それがステンレス網戸となると話は全く別です。私自身の体験を振り返ると、ステンレス製を選んだことがどれほど無謀な挑戦であったかを痛感させられます。まず、最初の難関は材料の切断でした。ホームセンターで購入したステンレス網は、手持ちの事務用ハサミやカッターでは全く太刀打ちできませんでした。無理に切ろうとすれば刃が欠けてしまい、断面がギザギザになってしまいます。専用の金切バサミを買い足す必要が生じ、この時点で予定外の出費が発生しました。さらに恐ろしいのは、裁断した断面の鋭利さです。ステンレスの細い針金が飛び出した端の部分は、まるで無数の針のように鋭く、注意していても指先に刺さったり、皮膚を切り裂いたりします。軍手をしていてもその隙間を縫って攻撃してくるため、常に怪我の恐怖と隣り合わせの作業となりました。次に直面したのが、網を枠に固定する際の「遊び」のなさです。ポリプロピレン製の網であれば、ゴムで押し込む際に多少のシワを引っ張って直すことができますが、ステンレス網は一度溝に押し込んでしまうと、その形が固まってしまいます。少しでも斜めにズレた状態で押し込むと、反対側の端に大きな歪みが生じ、それを無理に修正しようとすると網全体が波打ってしまい、二度と平らには戻りません。格闘すること数時間、ようやく一枚を仕上げましたが、出来栄えはプロの仕事とは程遠い、凸凹で傷だらけのものでした。また、作業中に最も気を遣ったのが、網表面への傷や汚れです。ステンレスは一度折れ目がつくと白っぽく光り、それが非常に目立ちます。慎重に扱っていたつもりでも、床に置いた際や枠を動かした際に少しでも強く当たると、取り返しのつかない傷跡が残ってしまいました。さらに、完成後に気づいた盲点があります。それは、掃除の難しさです。ステンレスの網目は非常に硬いため、スポンジや雑巾で拭こうとすると、布の繊維が網目に引っかかってボロボロになってしまいます。ブラシで強く擦れば今度は金属特有の不快な音が発生し、ご近所への騒音も気になります。結局、半年後にはその使い勝手の悪さと見た目の悪さに耐えかね、プロの業者に依頼して通常の網に張り替えてもらいました。