クローゼットの奥に眠っていた母譲りのワンピース。デザインは素敵だけれど、今の私には少しサイズが合わないし、肩パッドのボリュームも時代を感じさせてしまう。そんな一着を持って、私は街のリフォームブティックを訪れました。入り口横に置かれた料金表には、裾上げ千円から、ウエスト直し三千円からといった項目が整然と並んでいます。でも、私のこの複雑なワンピースを直すのに一体いくらかかるのか、期待と不安が入り混じった気持ちでカウンターへ進みました。職人さんは私のワンピースを広げ、丁寧にピンを打ちながら、どこをどう直せば美しく見えるかを優しく解説してくれました。料金表に書かれた金額はあくまで目安であり、生地の素材や裏地の作り、そして何より私がどのようなシルエットを望むかによって、細かく計算が変わっていくことを知りました。例えば、肩幅を詰める作業一つとっても、袖を一度外して付け直す必要があるため、料金表の基本価格に加えて、アームホールの調整代が加算されるといった具合です。提示された見積もりは、決して安いとは言えない金額でした。新しい服が一着買えてしまうかもしれない、そんな思いが一瞬頭をよぎりました。しかし、職人さんが言った一言が私の背中を押しました。この生地の質と丁寧な仕立ては、今既製品で探そうと思ってもなかなか見つかるものではありません、直して着る価値が十分にありますよ。その言葉を信じて依頼し、数週間後。出来上がったワンピースに袖を通した瞬間、驚きで声が出ませんでした。まるで私のために誂えたかのように、体型に完璧にフィットし、古臭かったデザインが見事に現代的なエレガンスへと昇華されていたのです。料金表の数字だけを見ていたときには分からなかった、技術という無形の価値を肌で感じた瞬間でした。安価な服を使い捨てるのではなく、良いものを直して繋いでいく。リフォームブティックに支払う料金は、単なる修繕費ではなく、思い出を未来へと運ぶためのチケット代なのだと実感しました。これからも、困ったときはあの料金表の並ぶカウンターを訪ね、自分だけの大切な一着を育てていきたいと思っています。
お気に入りの服を直すリフォームブティックの料金体系